第5章 恋情と嘘
あまり食欲もわかなくてピザに伸ばす手が止まると五条も同じようにペースが落ちた。
「上層部から君を処分するように命じられた」
「……伏黒くんの件?」
「まぁそれが1番だけど、何か変なんだよね。この間まで悠二の事、殺せっていってたはずなのに手のひら返したみたいに保護すること認めちゃってさ。代わりに君が悪者になってる感じ」
「……そう」
「ぜんぜん驚かないんだね、処分するってことはつまり秘匿死刑だよ」
「え、あ、驚くタイミングを逃して、今、驚いてる」
「ふうん」
ちょっと反応まずったかな? と未亜は焦った。きっと上層部とはK2の刈谷のことだろう。
自分を処分するように裏からも手をまわしてるんだ。五条の顔を伺ったが、それ以上は特に不思議がって詰め寄られる事もなかった。
「もう少し上の連中と話するからしばらく君はここにいて。言っておくけど、これ以上問題起こすなよ」と五条に指をさされ勧告を受けた。
その後はマンションの給湯や電気などの使い方の説明を受け、その日は眠りについた。