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【呪術廻戦】-12年目の真実-

第5章 恋情と嘘


「ぶっちゃけ、君は味方なの? 敵なの? 目的はなに?」

「さぁー? 敵なのか、味方なのか? 目的ねぇ、私の目的は邪魔な存在を消すだけ」

 未亜はそういって医務室を後にした。もともとこんなこと器用にできるタイプではない。これ以上この二人といるとボロが出そうで怖かった。

 あまり時間がない。K2が指定した日まで残り10日だ。それまでになんとかシナリオを完成させないと。もう一人、狙うか……。

 女の子は出来たらやりたくなくて胃がきりきりと痛んだけれどスマホに移りこむ母親の拘束写真、開発された特級呪物を目にして甘い思考を制止した。



 釘崎野薔薇を外に呼び出そうとしていることがバレ、未亜は五条のマンションにひっぱられるように連れてこられた。

 このまま危険な要素をふらふらさせておくこともできないのだろう。昼間は高専で拘束しておけるが夜は監視下が薄い上に、生徒たちは寮住まいをしている。学校には置いておけない。

 1番自分の目の届くところに、ということで五条は未亜を自宅のマンションに呼び込んだ。

 何を聞かれても本当のことは言わないと、来る途中に決意を固めた。というより、これはチャンスだ。

 殺すに値する対象と認定させるには2人の方が直接的で都合がいいかもしれない。

 五条のマンションは4年半前に訪れた場所と同じだった。久しぶりに見る建物は管理が行き届いているのか年月が経っているにも関わらず高級感が漂っている。

 下から間接照明に照らされたモダンタイルの外観や塵一つないロビーの清潔感がそこに住む住人の富裕感を感じさせる。

 部屋に入ると五条の香りがした。
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