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【呪術廻戦】-12年目の真実-

第5章 恋情と嘘


 高専時代に一度だけ、恵くんと恵くんのお姉ちゃんと五条と4人でディズニーランドに遊びに行ったことがあった。

 恵くんは確か小学生低学年だったかな?

 にも関わらず妙に大人びていて最初はものすごく怖い顔で睨まれたけど、園内でミッキーと一緒に写真を撮ってあげると、ありがとと照れた顔でお礼を言われ、睨んでるんじゃなくて恥ずかしいのかとわかり、可愛いくてお姉ちゃんと一緒にたくさん写真を撮ってあげたのを思い出した。

 最後の方は悟よりも私に懐いてくれてずっと手繋いで歩いたっけ。悟が馬鹿みたいに恵くんに嫉妬してお前はこっちって無理やり肩車して、恵くんに降ろせ降ろせガキじゃねーって喚かれてたっけ。

 未亜は懐かしい光景を思い出していた。4年半前に五条と再会した時も「恵、もうすぐ中学生だよ。早いよねー」と写真を見せてもらっていた。

 今、目の前にいる彼に間違いない。随分と端正な切長の目をした青年に成長したなぁと自分の弟のように嬉しくなった。

 もちろん恵くんは私のことなんて覚えてはいないだろう。そう思って未亜は眺めていると視線に気づいたのか彼の方から未亜に話しかけてきた。

「俺に何か?」

「あ、ううん……ごめんなさい。あーちょっと五条さんに呼ばれて。五条先生のことはー、よく知ってる?」

「まぁ、一応、親じゃないですけど親戚でもないですけど、ここに来る前から世話してくれてた人なんで」

「伏黒くん? だよね」

「あんた誰?」

 恵くんで間違いなかった。誰かと聞かれたが五条の昔の友人とだけ答えてその場を去った。

 悟が大切にしてるもの、恵はその1人に違いない。ごめん、今回は利用させてもらう。未亜は心の中で去っていく恵の背中に謝罪した。



 虎杖悠仁だけでなく伏黒恵も負傷させられた、という情報は瞬く間に五条悟に伝わったようだった。

 別の術師に案件を任せ、予定よりも早く出張先から戻った五条は、珍しく肩で息をしながら医務室にやってきた。
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