第3章 テープ【瀬呂範太】
反応が怖くて顔を上げられず、しばらくお互い無言が続いたけど、「はぁ。」とゆう瀬呂のため息が聞こえて顔を上げた。
瀬呂「ちょっと整理しよっか。まず、俺が他に好きな子ができたと思ったのはなんで?」
「…同じ個性の子見つけたって嬉しそうにしてた」
瀬呂「それはただ単に嬉しかっただけだって」
「一緒に登校してたって男子が騒いでた」
瀬呂「それはコンビニで偶然会っただけ」
「……」
瀬呂「じゃあ、俺を嫌いになったわけでも、梨子に他に好きな人ができたわけでもないのね?」
「私は瀬呂しか好きじゃない。でも瀬呂は好きって言ってくれたことないじゃん」
瀬呂「それは俺が悪かった。照れくさくて言えなかっただけだから」
瀬呂「ちゃんと好きだよ、梨子のこと」
そう言って正面から抱き締めてくれた。