第3章 テープ【瀬呂範太】
放課後、誰もいなくなった教室に彼がやってきた。
瀬呂「悪い、遅くなった!上鳴たちに捕まっちゃってさ〜。そう言えば話ってなに?」
いつも通りの瀬呂。
私は頑張って言葉を絞り出す。
「瀬呂、別れよっか」
そう言った瞬間、彼の纏う空気が変わった。
瀬呂「なんで?俺何かした?悪いとこあった?それとも何、他に好きな人でもできた?」
「違うよ、瀬呂のためだよ」
瀬呂「俺のためって何」
「瀬呂から言いづらいと思うから言うけど、他に気になってる子いるよね?」
瀬呂「何それ?それで別れんの?お前の気持ちはそんなもんだったの?」
すごく怒ってる。
でも泣いちゃダメだ。
涙を堪えながら言った。
「私は瀬呂のこと好きだよ。でもそれだけじゃどうにもならないから」