第2章 帯電 【上鳴電気】
上鳴「梨子!ちょっと待って!」
追い付いて手を掴むと、また
バチッ!
っと電気が走った。
梨子は立ち止まってくれたけど後ろを向いたまま。
上鳴「さっきの!教室の!あれ、違うから!」
「…違うって?」
上鳴「だからっ、ちょっと確認ってゆうか、何てゆうか…」
「なんで私に言うの?関係ないし…」
上鳴「関係なくない!俺…、俺、梨子のことが好きだからっ!」
そう言うと、やっと振り向いてくれた梨子。
「嘘だ…」
上鳴「嘘じゃないって!さっき気付いたばっかだけど、めっちゃ好き!」
「電気は…耳郎さんのことが好きなんだと思ってた」
上鳴「だからあれはただの確認でっ」
「ううん、それだけじゃなくて、いつも仲良さげなとこ見掛けるし、」
上鳴「仲はいいけど、それはクラスメートだから!
梨子はなんか違くてさ、なんてゆうか…ドキドキ、バチバチ…そう!なんでバチッとするの!?」
俺は告白したことも忘れて、ずっと聞きたかったことを聞いてみた。
「私ね、静電気持ちなんだ。個性のテープで絶縁してるつもりなんだけど、電気にはなんでか反応しちゃって…」
上鳴「つまり、梨子の電気が俺に流れてたってこと!?」
「そうみたい」
上鳴「すげー!なんか梨子の一部が俺に入ってるって考えただけでヤベー!」
「ちょっと!その言い方は恥ずかしいからっ!」
上鳴「でも反応するの俺だけなんでしょ!?それってもう運命じゃん!?」
「軽い…チャラい…」
上鳴「うぇ(泣)?上げて落とすパターン…?」
「でもそんな電気が好き、」
上鳴「ホント!?やったー!!」
ギュッと抱き締めると、全身からバチバチ電気が流れてくる。
キスしようとしたら、「まだ早い!」と言われ口にテープを貼られた…。
ちぇっ。
でも!
俺は今世界一幸せ!!