第2章 帯電 【上鳴電気】
マジで梨子ちゃんの個性はテープだった。
瀬呂は肘だけど、梨子ちゃんは手首から出るんだって。
瀬呂みたいにながーいのじゃなくて、女子がよく使うマスキングテープ?みたいな可愛いの。
想像した柄が出せるとか。
クラスの掲示物作るときとかに重宝してるらしい。
ここで疑問がひとつ。
あの電気はなんだったんだぁー!!
気になるけどあの時の話題は出せないし、なんか瀬呂とテープトークで盛り上がっちゃってるし!!
くそー!
最初に知り合ったの俺なのに!
不貞腐れて口を尖らせてたら、切島が話しかけてきた。
切島「なに拗ねてんだよ?」
上鳴「だって…せっかくいろんな話したかったのに、瀬呂に取られた…」
切島「取られたって…物じゃないんだから」
上鳴「瀬呂ぉ〜!俺も梨子ちゃんと話したい!」
瀬呂「わりぃわりぃ!ついテープトークで盛り上がっちった!じゃ、またね梨子ちゃん!」
そう言って瀬呂は教室から出てったけど、なんか釈然としない。
「上鳴くん?」
上鳴「よし!梨子ちゃん、俺のこと電気って呼んで!俺も梨子って呼ぶ!」
「へ!?いきなり呼び捨て!?」
切島「上鳴急にどうした!?」
瀬呂に負けてらんねぇー!!