第2章 帯電 【上鳴電気】
ある日1人で帰ってると、知らない女子に声を掛けられた。
「上鳴くん、ちょっといい?」
上鳴(うぇっ!?まさか告白!?参ったな〜ついに俺にもモテ期が!)
そんなことを思ってるとは露知らず、女子は話し始めた。
「私、経営科の梨子の友達の固野梨子です」
上鳴「あ~!切島の!」
(なんだ、告白じゃなかった…)
「その切島くん、どんな感じ?」
上鳴「どんな感じとは?」
「梨子のこと、どう思ってるのかな〜と」
上鳴「あぁ〜心配しないで大丈夫だよ。あいつ、やるときはやる男だから!」
「そっか、なら良かった」
上鳴「友達想いだね」
「そうゆう訳じゃないけど、梨子、入学当初は自分の個性嫌っててちょっと鬱いでたんだけど、切島くんに出会ってから明るくなったから、上手くいってほしいなって」
そう言って微笑んだ彼女が夕陽に照らされて綺麗で、ちょっと見惚れてしまった。
彼女の髪が目に掛かってるのが気になって避けてあげようと手を近づけたら、
バチッ!
電気が走った。
思わず手を引くと、彼女も目を丸くして驚いている。
上鳴(も、もしかして固野さんの個性、電気…!?)
聞こうと思ったのに、彼女は慌てて「じゃ、またね!」と帰ってしまった。
俺は家に着くまで、ずっと上の空だった。