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真っ白でいるよりも 【ハイキュー】

第3章 鯨

















家に帰って少しゆっくりしてから、
影山くんは走りに行った。

その間に夕飯の支度。

お昼のカレーは冷蔵庫に入れて。






影山くんが帰ってきて、
汗をかいたままの身体で私を求めて…

これ多いんだよな。

もしかして試合後とか、こんな感じなのかなって想像してしまう。

キッチンでそのまま交じり合った。





2人でシャワーを浴び、さっぱりして夕飯。






鰯の梅煮、筍土佐煮、ほうれん草胡麻和え、茶碗蒸し、
蓮根と人参のきんぴら、大根と豆腐のお味噌汁。





ザ・和食っぽいもので保存も割と効くもので織りなしてみた。
今日で、これで、一緒に食べる夕飯は最後かぁ…と思うと胸がきゅっとする。















…始まりは撮影だったのか。
それとも、生まれ変わりの話か。
鯨になりたいという私を、誰かと重ねたのかもしれない。

それを引きずり続けることだってできるだろう、お互いに。

その髪の毛に、
その唇にいつかの誰かの感触を君は思い出してるの?
とか、そんな感傷的な想いに浸ることだってできるだろう。

でも今、彼は私をその目に写し、私を求めてる。
それは言葉でいくら伝えようと思っても伝わらないことだ。

でも確かに私はそれを感じてる。知っている。







それはまるで……






「あの、言葉で伝えるの…あんま上手くないんすけど
食べ物前にしてる時と、鯨の話してる時の顔が好きっす
あ、ちげーな、全部、良いんすけど… あとなんつーか…」






ベッドの上で交じり合い、
互いに肌を寄せたままごろごろとしている。
うとうとと瞼が沈みかけた私に影山くんが何か話し出す。








「…なんつーか……」

『いいよ、言葉は要らない。 多分私も同じ気持ち』

「…鯨には言葉がないけど歌があるっつってましたよね」

『うん』

「なんかそんな感じするんす」

『うん』

「…だからその」

『うん、知ってる。 大丈夫』

「…ぅす」







なんかあるよね、私たちの間に。
小さな振動が伝える情報のようなもの。

お互いに肌で、心で、目で耳で… それを感じながら互いをより知っていく。

それはまるで、
鯨が海水を振動させ合い、
様々な情報を交換してるようだなって。









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