第3章 鯨
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影山くんが、寝てる。
裸で、私の隣で。
寝顔はもちろん、寝息まで綺麗って何事。
ほんとに、綺麗な子。
その寝顔をしばし見つめていると、ぱちり。
影山くんもお目覚め。
「…あ、寝てた。 何時だ?」
『14時半くらい、かな…?』
「…腹減った」
『…ふふ 何か食べにいく?』
「…そっすね」
『………』
「………」
だめだ、また盛ってしまう。
流石に腰が抜けてしまう、そう思って起き上がる。
『…先シャワー借りるね』
「はい」
腹ごしらえを済ませたら、
クリーニング店に借りてたワンピースを取りに行こうっと。
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「なんか食いたいもんありますか?」
手を繋いで、街をふらふら。
『パニーニ食べたい!』
「パニーニ… あ、パニーノっすか? サンドイッチ」
『うん、サンドイッチ』
「いいっすね、じゃああっち行きます」
『…ん』
「っつーかその服なんすか?」
っつーかその服なんすか? とは?
喧嘩売られてる? 笑
ミラノ発のブランドと言えば。
ミラノでの撮影の一つはそう、プラダだった。
仲の良い広報の子が新作をくれると言うので、
それなら今着れる夏物のデイドレスを頂戴と言ってみた。
そしたらデートでもあるの?って彼は盛り上がって
スタイリストとわーきゃー言いながら選んでくれた一枚だ。
…正確に言うと2枚貰ったうちの1枚。
真っ青なミニ丈のフレアワンピース。ノースリーブ。
ウエストは刺繍の入ったシャーリングになってる。
靴は旅行時にいつも持ってくるマルジェラのペタンコサンダル。
まぁ確かにミニ丈にぺたんこサンダルって子供っぽいかな…
27歳良い歳して……
だから何だと言う感じではあるけど、
でもなんて言うか、ちょっとわくわくはしてるんだけど…
『…ミラノでもらった。結構気に入ってるんだけどナ』
「…あ、いや …か、かわいいっすよ」
『………』
「…もらったって誰にっすか?」
『仕事で一緒になった友達に、かな』
「…あの、りさ子さんって……」