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真っ白でいるよりも 【ハイキュー】

第3章 鯨















北イタリアでの仕事を終え、
スタッフとは現地解散。







イタロに乗ってミラノからローマまで約3時間。
快適な鉄道時間を過ごし、バールでカッフェ・ドルゾを一杯。
ミラノで朝一、濃ゆいエスプレッソは飲んだから、ちょっと優しいのが飲みたくて。




そして今、住所と鍵をポケットに入れ影山くんの家へと向かってる。






電話番号を渡すとこじゃないのかな、っていうところで住所を渡してきた。
絶対にくるって確信があったのかな。

でも住所だと、
鍵もクリーニング店に預けてるドレスも送って終わりってことも大アリなのに。







そして何で私は本当に家に向かっているのか。

単純に身体の相性は抜群に良かった。
セックスの感じも、どストライクに好みだった。

美青年がもともと好きだし、
影山くんは顔だけじゃない。身体も綺麗。

いろいろ、上げていけば、安直な理由は数あれど……






その言葉の少なさが心地よかった。
言葉ではないもので擦り合わせていくその感じが心地よかった。

だから身体や外見だけではない、
もっと内側というか逆に外側というか。

オフの日を一緒に過ごしたいと思わせるものが確かにあった。





広報の人に電話して、番号を聞くことだってできただろうけど、
なんとなくこのまま電話はせず行ってみるか、と。
だから、家に今いるのかも、
今日影山くんにどんな予定があるのかもわからない。







…ベルを鳴らすべきか、鍵を開けてしまうべきか。







いや普通にベル、ならそう。







がごっ……







『うっ………』

「わ、あ… りさ子さん? すんません、気付かなかったっす」







うん、気付かなくて当然だよ。
それで良いんだけど…







おでこ、いったぁ………







額を抑えてしゃがみこんでしばし、痛みを堪える。










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