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真っ白でいるよりも 【ハイキュー】

第3章 鯨







「…あ、でも撮影中」

『…ん?』

「鯨の話してるときは今と似てました。なんつーか…」

『うるさかった?』

「いや…よかったっす」

『…笑』





よかったっすか…






でもそう、あの時確かに表情が変わったんだよね。







『そうだ、部活で会ってたのにバレー部じゃない人の話。いつでもどうぞ』

「…いや、合同合宿っつーのがあってその人はマネージャーの代理で参加してたんすけど」

『お、女の子?』

「あ、はい。学年は一個上なんすけど」

『へぇ… サーフィンする子なの?』

「あ、そうです。それで俺が2年の時に3年で…」

『………』





留年してなければうん、そうだよね。






「なんかその人と何人か部員が話してて、
そんで日向… えっとその時のチームメイトが俺に話振ってきて」

『生まれ変わりの話?』

「そーっす。 …で、その人は鯨になりたいんだって言ってました」

『へぇ…友達になれそう』

「…でも理由は違いました。
っつーか、結局それ生まれ変わりじゃねーじゃんってなってたんだっけな」

『…?』

「理由っつーか…
その人は、死んで分解されてそれでいつか鯨に食べられたい、みたいなこと言ってました。
食べられることで、鯨の一部になる的な」

『…へぇ、おもしろい。
そうだねまず、鯨じゃない何かに分解してもらわないと鯨には食べてもらえないもんね』

「…佐々木さ …りさ子さんって呼んでいいですか?」

『うん、どうぞ』

「りさ子さんは鯨になって歌歌うんすね」

『うん』

「人より心がでかいっつってましたけど」

『うん』

「人が苦手って感じもしないですよね、りさ子さん」

『あー… うん、別に苦手じゃない。愛おしいし、被写体は人がいい』

「………」

『………』

「…これ食いますか?米の入ったコロッケ」

『ライスコロッケ!うんちょっとだけちょうだい』






手掴みでコロッケを食べていた影山くんは、
最後の一口を私の口に放り込んだ。

予想外の展開とサイズで上手く頬張れず
口元についた米粒か何かを影山くんはその綺麗な指で拭い取って
それからその指をそのまま自身の口元へ運ぶ。





ずっきゅううううん





天然のお色気影山くん。
たまらーーーん。


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