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真っ白でいるよりも 【ハイキュー】

第3章 鯨








『首周りキツい?緩めてもらって大丈夫だよ』

「あ、いいんすか じゃあ……」







くいくいっとネクタイを緩める。

…んーたまんない、色っぽい。






影山くんは指と首が特に色っぽいから、今、今、やばい。






アルマーニで揃えた衣装。
シングルブレストのジャケットとパンツ。上下ともブラック。
シャツはリネンでちょっとだけ軽やかに。カラーはライトグラファイト。
ネクタイはシャツとジャケットの間の色にパールホワイトの細かなドット。
カーフスキンのレースアップシューズ。裾からチラと覗くくるぶし。






もっと砕けさせたい。
もっと崩したい。








『シャツは?ボタン緩めてもらっても良いけど、ジャケットも』

「…じゃあ、そうします」







ジャケットのボタンを外し、
シャツのボタンを2つあける。

最高!







『ずっと座ってたらお尻とか痛くなるでしょ、
ほんと自分のラクなようにしてね。どうしてもしてほしいポーズは浮かんだら言う』








そんな感じで適当に話しながら、
影山くんも伸びをしたり、足をあげたりして動きが出てきた。








『…あ、生まれ変わったらしたいこととかある?』

「生まれ変わったら… 考えたことないっすね」

『この間さ、事務所の女の子が占い師さん?霊能者さん?に会ったらしくて。
前世を見てもらったんだって』

「…はぁ」





興味なさそうな顔。
腹減ったなーとか考えてるかな。

シャッターを切りながら、
そして会話しながら、
頭の中は彼の奥に広がるものを考えてて。
目はしっかりと、一瞬も見逃さないように、
ファインダー越しに映る影山くんを捉えてる。

この時間がたまらなく好きだ。

人を撮るのは楽しい。








『そしたらさ、私はいつの時代か、武将だったんだって。
それでその子はその武将に仕えてた侍? よくわかんないけど。
ねぇ、人間って人間にしか生まれ変われないのかな?」









お。

意外なところで反応あり。

影山くんがレンズをじーっと見つめて考え事をしてる。







いいよ、いいよ、もっとちょうだい。








わずかな表情の変化も見逃さない。
もっと、私にみせてごらん。










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