第2章 玉ねぎ
「グルニエとはどう言う意味だ?」
オーダーを終えて、
エクレア×若利くんを想像してむふふしてるとふっと尋ねられる。
『grenier? …どうして?』
「昨日天童が言っていた」
『grenierは屋根裏だよ』
「あぁ… なるほど。 ありがとう」
『いえいえ、どういたしまして』
…?
特に話は続いてかないけど、別に居心地は悪くない。
若利くんのこういうとこに安心するんだ。
ぽつぽつと話したり話さなかったりしながら、
心地良い時間を過ごしてると
2人分のパフェが運ばれてきた。
クリスマスツリーを飾るオーナメントのように賑やかなパフェ。
琥珀色のシュクルフィレ、ジンジャーマンの形をしたチョコレート、
チョコレートアイス、いちごのシャーベット、ピスタチオアイス、
ガナッシュ、サバラン、プチシュー、チョコレートムース、
フレッシュな苺、蜜漬けの杏、白葡萄のジュレ。
キラキラして賑やかで、食べていてわくわくする。
そして一つ一つが本当に美味しい。混ざっても美味しい。
チョコのムースと白葡萄のジュレも相性が良くなるように
何がだろうか、わかんないけど調整されてて。
覚の力量とセンスを舌で知る。
やっぱり覚の作るチョコレートが一番美味しい。
チョコレートが大好きだから、
それに合わせる果物もサバランもシューもアイスも妥協しない。
愛が溢れてる。 大好き。 覚のパフェ。 覚のチョコレート。