第2章 玉ねぎ
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12月。
鬼滅の刃のアニメはあれからちょこちょこと観て、最後まで見終えた。
来月、覚と一緒のオフの日にシアターへ行ってくる。
昨日、覚は若利くんとお茶をして撮影もしてもらって。
そして今日は私が若利くんと覚のお店へいく。
何食べようかなぁ〜…
セーヌ川にかかるポン・ヌフ橋で待ち合わせ。
少し早めにきたつもりだけど、もういた。
『若利くん、こんにちは』
「あぁりさ子さん。こんにちは。久しぶり」
若利くんは安心する。
いつもいつも若利くんだから。
前に会った時そう伝えたら、あまり言われることがないって言っていた。
若利くんはバレーの世界にずっといて
日本のエースってずっと言われてて
だから若利くんといて安心するって思える人もしくは言える人が周りにいないだけで
きっとたくさんの人を私と同じ気持ちにしてると思う。
なんだろうな、とにかくほっとするんだ。
言葉に裏がないし、行動にも裏がない。
いつもいつも若利くん。表ばかり。
不思議なようで単純なような、やっぱり不思議な人。
お店に着き、席に案内されメニューを広げる。
『若利くん決まった?』
「あぁ、天童から昨日おすすめを聞いておいた」
『うん。じゃあ、頼もうか』
若利くんも私もパフェを頼んだ。
クリスマスに向けた感じの、
ちょっとキラキラしててファンシーで遊び心のあるパフェ。
でも味はもちろん、何一つ抜かりなく一流な粋なやつ。
覚がお勧めした理由は、
まぁ普通にイートインでしか食べれないし、もちろん美味しいしってのもあるだろうけど、
でもきっと若利くん×パフェっていう絵面を見たかったんじゃないかなって勝手に憶測する。
私的にはルビーチョコレートとか
綺麗な色のチョコレートがかかったエクレア×若利くんが見たかったけどな。
大きな身体で小ぶりで綺麗なエクレアを食べて欲しい。
若利くんは育ちがいいから、それでも無骨さはなくなんていうかきっと、綺麗に食べる。
そのいろいろが相まってシュールでほわぁとなるだろうなと思う。
今度うちに寄ってくれる時は、エクレアを買っておこう。
とかとか。
でも薦められたものを迷うことなく頼むあたり
やっぱり若利くんだなぁってなる。 きゅん。