第2章 玉ねぎ
覚は確かにクレイジーだけど、優しい。
それに本当によく見てる。
表面ではなく広がりを。奥を。
そして偏見がない。
…ちょっと違うか。
たとえ偏見というかイメージを抱いていたとしても、
知り合うことを恐れないし、そのイメージに囚われない。
だから結果的にあるがままを受け止めれる。
そういう器を持ってる。
クレイジーな部分が突出していてわかりにくいかもしれないけど、
こんな父親がいたら相当幸せだろうな、って私は思う。
だから迷わずYESと言ったけども。
その流れで… そうやって首筋に顔を埋められると…
シャツワンピースのボタンを外されると…
どういう意味?どういう質問?ってちょっと考えてしまうじゃない
覚は空腹時のセックスが好きだ。
だからきっと夕飯前のこれで今夜はおしまい。
もしかしたら深夜にごそごそってこともあるけど、
今日はもう既に2回目だしきっと…
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「りさ子、アイス食べながら鬼滅の刃観よっかぁ〜」
『あ、観る。 みるみる』
随分と話題になっている
そのアニメをまだ私も覚も観たことがない。
覚は前から、原作を本誌で読んで面白いよ〜 って言ってた。
『何アイス?』
「チョコレート」
覚の食べるアイスは全部チョコレート。
でもそれがチョコレートとオレンジだったり、
チョコとクッキーだったり、いろんなパターンはある。
作るわけだし。 買うことも多いけど。
だから「チョコレート」のアイスって返事はつまり、
本当にオーソドックスなチョコレートアイス。
覚の作るチョコレートアイスは喉が焼けるほどに濃厚だ。
甘さはちょうどいいのに、濃厚で喉が熱くなる。
これにチョコチップ入れたのも食べてみたいと言ったら、
これに合うチョコチップを探さないとねぇ〜って言ってた。
足付きのガラスの器に盛られたチョコレートアイスを
ちびりちびりと食べながらアニメを観る
私はソファに座って。
覚は床に座ってソファに背中を預けて。