第2章 玉ねぎ
今日は覚も私も休み。
久しぶりの2人揃ってのオフ。
屋根裏の寝室で心置きなくゴロゴロして、二度寝もして。
覚は溜まったジャンプを読んだり、私はタブレットでドラマを観たり。
とにかく午前中はごろごろして。
それから、セックスもして。
寝起きのそれもいいけど、昼前や昼過ぎのそれも良い。
宅配便とかきちゃうかな…とか思ったりしながら、止まらない欲望。
一旦始めてしまうとなんだか夜より朝より断然盛るような…
一緒にさーっとシャワーを浴びるんだけど、
覚は背が高いからシャワーしてる時にその姿を下から見上げるのが好き。
それから髪の毛がぺしゃんってするのも好き。
でもまた、坊主にするんだって。
覚のツンツン頭好きなんだけどな、とか思うけどまぁいたしかたない。
ブランチの用意をして、
その時にふっと泣けてきた。
玉ねぎを刻んでて、まぁいろいろ降って湧いてきて。
それで覚は相変わらずの調子で聞いてくるし踏み込んでくるし。
それでも一旦話は終わってブランチを食べた。
うちのアパルトマンの向かいにあるパン屋のクッペ、
リーフとトレビス、チコリ、ベーコン、ゆで卵のサラダに玉ねぎドレッシング。
昨晩作っておいた野菜のペイザンヌのスープ。ヨーグルト。
覚は私がご飯の支度をしていたってチョコレートを食べるから、そんなにいっぱいは食べない。
でも、それでも、よそった分は全部食べてくれる。
そんな風に午前から正午にかけてを過ごして、
今、昼過ぎ、天気も良いしふらふらっと街を歩こうかってことになったんだけど…
今朝の話をまた覚がぶり返そうとする。
「でさでさ、いろんなところに転がってる愛のことなんだけどさ…」
『いろんなところに転がってるとは言ってないよ』
「あれっ そうだったっけ」
──愛っていうのは転がってるのね、キッチンなんかにね
そう言ったはずだ。
『…まぁ良いさ、続けて』
さっきから覚はなにを聞き出そうとしてるんだろう。
それとも何か伝えようとしているのだろうか。
単純にそれが気になる。