第2章 玉ねぎ
「…じゃあお茶、もらっちゃおうかなぁ〜? 何淹れてくれるの〜?
俺ね、カモミールティーは飲めないから それ以外でよろしく〜」
冷蔵庫にバットを入れ、
洗い物を済ませキッチンを綺麗に拭いたのちに覚がそう言った。
『あ、うん。 了解、カモミールね。 ちょうどあるよ。 ミルクで飲む?』
「あれー? 話聞いてた〜? 俺、カモミールは飲めないって言ったんだよ?」
『あ、そっか。ごめんごめん。あまりに君の動きが…』
綺麗で、色っぽくて…
シンクに残った水を拭き取る、それだけの動作さえも見逃したくなくて、
心がどこかへ行ってしまっていた。
「…ん? なに〜?」
『…なんでもない。 お茶淹れるね』
もう寝るし、カモミールが入ってないか確認して、
ブレンドハーブティーを淹れる。
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『ねぇ、このハーブティーね、パッションフルーツの花が入ってるんだよ』
「へぇ〜」
『なんかちょっとシンクロした〜って思ったけどそうでもない?』
「ううん、そんなことないよ おいしいね」
パッションフラワー、レモンバーム、オレンジブロッサム、
オレンジピールにステビア。
身体もあったまって、
ハーブの効果もあるのか突然眠気が襲ってくる
『ふぁ…… 覚、私もう寝るよ。 布団出しとくからソファででも寝ておくれ』
「え? あー、うん。 テキトーに寝るから大丈夫〜 おやすみ〜」
屋根裏に上がりベッドに入ると、
瞬く間に眠りに落ちた。
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目が覚めると… 裸の私。 裸の覚。
一つのベッドで、抱き合って寝ている。
…えぇ!?