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真っ白でいるよりも 【ハイキュー】

第7章 ひとりぼっち









『なんかいろいろ迷子になってる気がする』

「そのワード好きだね」

『いや別に、好きじゃないけど』








そもそも何でこの動画見ることになったんだっけ。
それからこの動画が始まった時、倫太郎はなんて言った?









「今日話したじゃん、スケボーやる子。その子、さっきのダンサー」

『え!倫太郎知り合いなの。ていうか日本人なの!』

「………」

『すごいね』

「いやおれが迷子になりそう……」

『…?』

「りさ子のテンションについていけない」

『ごめんごめん、もう治ると思う。 さっきの人はダンサーなの?』

「…その質問はどういう意味なん?
あんな踊り踊る子がダンサーじゃないっていうのはどういう場合なん?」

『…あぁ、ほんとだね。私の質問おかしい。
専攻とかそういうので凝り固まってた、ばかばかしい』

「……ちなみにこの子は、普通に大学で勉強してるよ。 …そろそろ卒業して帰ってくるんじゃない」

『ダンスは……ライフワークみたいな?』

「そんな感じじゃないかな、別に仕事にしないって決めてるわけでもないみたいだけど」

『動画の収益は得てるんだもんね』

「…いや、動画の収益は得てないんじゃなかったっけ」

『……?』

「まぁ、得てはいるんか。どっかに寄付してるって言ってた気がするけど」

『………』

「俺にはよくわからんけど。 版画好きなら版画続けながら
興味があることやる方法、手段なんていくらでもあるんじゃないの、とか思うけど。
まぁ、ケースバイケースだろうし。結構ハードな大学なんだろうし。知らんけど」

『倫太郎、この動画流れてくるの知ってたの?』

「知ってるわけない」

『だよね』

「歌の子も、ダンスの子も。何かを表現してるわけでしょ。
りさ子も版画を通してそういうことやってんの?」

『…まぁ、表現の手段ではある』

「じゃあなんか… うしろめたいとか幸せとかなんだとか、
そういうものも全部エサみたいなもんじゃないの」

『エサ…』

「糧にして、とかいうじゃん」

『………』

「どっかうしろめたくなるそういう感性が、勝手に出てくるんじゃないの?…知らんけど。
さっきの2人と、さっき描いてたりさ子の絵見てたらそう思った」

















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