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真っ白でいるよりも 【ハイキュー】

第7章 ひとりぼっち








「じゃあなんに迷子になってるの?」

『…んー、浮気しそうな自分に、かな』

「…」

『版画にここまでのめり込んでるのに、他にもすっごく惹かれてる自分に』

「…それって比喩と違うよね? 大学の専攻の話だよね?」

『…ん? そうだよ 比喩ってなに?』

「なんでもないけど」






なにこんなこと倫太郎にベラベラ喋ってるんだろ。
これこそ、迷子だ。






「迷子といえば…」

『…?』

「なんかそういうこと言ってる歌うたい?の子の動画回ってきたけど」

『迷子の歌?』

「いや違う、なんか、今年の3月にな、
高校卒業してその日のうちにギターと少しの現金持ってオーストラリアに行ったって子」

『…へぇ、じゃあまだ渡豪してから2ヶ月も経ってないね』

「誰だったっけ… 銀か、そう、友達がすごいの見つけた!って送ってきたんだけど」

『うん』

「ほんとに歌、すごかったよ、帰ってから見てみる?」

『…んー、うん。見るっていうか聞こうかな。デッサンしながら』

「あぁ、いいじゃん。 なんか買ってくもんは?」

『倫太郎の歯ブラシかな』

「車にあるけど… あ、でも買っておいとこ」

















コンビニで倫太郎の歯ブラシと、結局アイスとか買って家に着いて。






MacBookで例の動画を流しながら私はデッサンを始める。
映像はチラと最初に見ただけ、でもすごく綺麗な感じがした。
ちゃんと、撮ってる感じ。 それから音質も良い。





ポピー、花瓶、透ける水。光。横に雑多に積まれた画集。

倫太郎。ソファ。黒いソファに反射する電球の光。iPhone。

ポピーだけ、一面にいっぱい。











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