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真っ白でいるよりも 【ハイキュー】

第6章 迷子









「ここには何が入ってるの?楽器だよね。ずいぶん縦にスマートな」








なぜか私はとーるにギターを預けた。
なんでだろう。分かんないけど、 いい。 って言わなかった。









『ギターだよ。バックパッカーズギターって言って。ボディのとこがしゅんってしてるの』

「へー歌うの?」

『うん、歌うのはすき。ちょこちょこ開いた時間に弾いて歌ってると、お金くれたりする』

「あー、バスキングだっけ?」

『うん。まぁ、そんなガチでやってないけど。そうだね、バスキングになるのかな』

「…ねぇ、何でガイドブック日本語じゃないの?地球の歩き方でしょ、定番。俺も日本出る前買ったし。
それは、lonely planet?っていうの?」

『頭が日本語になるのもやだし、それに日本人が集まるとこに行きたいわけじゃないから』

「…へぇ」

『まぁこれ見て行っても、結局バックパッカーに出会うことになるから。結局は結局だけど』

「ふーん。旅への想いは結構強いんだね。始まりは強制的だったとはいえ」

『そうだね、旅には興味あったかな。単純に、知らない世界を覗いてみたい』

「楽しい、に引っ張られる感じ?」

『あぁ、そうだね。別にわくわくとかを望んでるわけじゃないんだけど。
どうしても、わくわくする気持ちに引っ張られる感じは、ある』

「うんうん。 何か飲み物買って行こうか。 明日の朝はパンでいいよね?」

『え?あ?うん』








とーるに着いていくようにしてスーパーに入る。







炭酸水、水、ソーセージ、それからマンゴーとキウイ。
あと瓶に入った何か。







「ドゥルセ・デ・レチェ、さっき君が食べてたアイスとプリンにかかってたやつ」

『あぁ…』








キャラメルみたいなソース。
アルゼンチンの甘いものには大体あの味がする。








「パンに塗っても美味しいよ」








とーるはさくさくっと買い物を済ませ、
スーパーの近くにあるアパートに私を連れ込んだ。









「…いや、連れ込んでないから」

『え?』









口に出してないはずなのに突っ込まれる。
とーるってなんかちょっと、こわいとこある。










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