第5章 未来
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それから侑くんがくれたピアスをつけて、
お皿を片付けてケーキを食べた。
「あとこれは、純粋な俺からのプレゼント」
『純粋な俺?』
「りさ子ちゃんをプレゼントしてもらおうとか思う前に、
買いたいな思って買ったやつ。 …選んだのりさ子ちゃんやけどな!」
昨日、アイス屋に行く前に行ったショップの紙袋。
ミニブランケット、私にだったんだ…
なにそれ。出会ったばかりで、どうしてそんなこと。
「俺もな、結構あれなんやって。言うたやろ、ビビッときたって」
『…?ビビッときたとは聞いてないかな』
「…まぁ、そうなんやって。あんまないんやって、こんな風にな、思うん。
やからな、その直感信じてみてん。結構いい感じちゃう?」
『………』
「………」
『………』
「えっ あかんかった? 俺別に貢ぎ癖とかないで!たまたまやで、今日誕生日やったし」
『…笑 何も言ってないよ』
「何も言ってないから怖なるんやん!」
『あかんことないよ。 今日私がもらったワンピースとピアスの分は今から返す。私をあげる』
「なっ いきなり何言うてんの!?」
さっきまで何度も何度も自分で言ってたくせに。
途端にウブな反応を見せる。
…かわいいな。 ずるいな。
『だから、侑くんのすきにして?』
「だぁぁぁ…… あかん、あかんてまじで……」
それから電気を消して、
侑くんが今日買ってきたっていうキャンドルに火をつけて、
ベッドで愛し合った。
じっくりと丁寧に、使えるもの全部を使って、
侑くんは私の身体を、心を、悦ばせた。
そしてやっぱり… それだけじゃない。
「あーもう、あかん…」
って小さく呟いて、もう抑制が効かない、
もっとやってみたい、あれもこれもやってみたいって感じで、
途端に好奇心に動かされるようになる。
それがまた、身体にも心にもたまらなく良くって…
とにかく、そう… とにかく私は何度も気持ちよくなり、
何度も侑くんに溺れた。