第5章 未来
見せるタイプのやつじゃないし、ブラどうしよう…
って少し迷った挙句、もうノーブラで着ることに。
出かけるわけじゃないし…
胸元ふんわりしてるからそんな、目立たないだろうし…
髪の毛を櫛でとかして、
無造作に一つにまとめて。
…ピアスとかそういうの全然ないよー
なんだか逆に物足りなく感じられたりしないかな…
ワンピースだけ綺麗で…
私自身にはも飾りもなくって…
浮いちゃってない? ちょっと不安になってくる。
アイメイクちょっと、濃ゆくしようかな。
それくらいならあるもので…
バッグをリビングに取りに行くと…
「おっわーーー!かわええ!かわええなぁ!」
パンツだけ履いて
まだ雫の垂れる身体でペタペタと出てきた侑くんに遭遇。
わわ!
なんだかこっそりやりたかった身支度に失敗したというか…
妙に焦る 慌てる 挙動不審になる
「…? 何してんの? うろうろして。 ちゅーか背中やばい!
なぁ、ちょっとうろうろしとらんと、こっちきて見して?」
『あ、え? えっとね… ちょっと待ってね…』
「…? なんで? そんなん待ってられんよ、俺。
まどろっこしいわ。 こっち、きぃ」
ちょっとだけ拗ねたように、でも明るく可愛らしく侑くんが言う。
きゅうってする。
心も。身体も。
ぽて、ぽて…と足が侑くんの方に向かう。
「えらい、ゆっくりやなぁ。でもなんか焦らされてる感じしてええなぁ」
そう言いながら侑くんは後退りしてキッチンに向かう。
グラス一杯の水を飲んで、そこで待ってる。
にこにこしながらでも、色っぽい顔で。
焦らされてるのは、こっちな気がしてくる。