第5章 未来
「ツム、お前何言うてんの?やめーや、そういうの」
「なんやそういうのって」
「俺とお前をセットにするみたいなの、やめーや」
「は?してへんし!誰がお前なんかとセットになるかいや!」
「でも今、俺やからそういうこと言うたんやろ? ちゃう?」
「あー!?ちゃうし、そんなわけあ …るか………」
「ほれみぃ。 そういうんな、言うてくる奴も失礼やけどな、
こっちがそうやって思うんも失礼やで」
「………」
「そら俺らは双子や、ツインズ言われるんも事実やしな、別に嫌いやないで。
好きでも嫌いでもない、ただ、ほんまのことやん。実際わかることも多いしな」
「………」
「やけど、ツムのこと好きんなったら俺のことも好きになるとか、
その逆とか… いやある場合もむっちゃあったけど、そんなん結局ファンとかせいぜい片恋やんな?
こうして俺らが好きになる子で、そういうんはなかったやろ?」
「………」
「やから、そういうん言うのやめーや。思うのもやめーや。
そら俺に対抗心とか持つんはまぁ、ええけども。 俺もお前には負けたないしな。
それと相手を信じんのは別もんやでな。 その辺ちゃんとしぃや」
「信じてないんとちゃう!
けど、サムからもなんも聞いてへんし、俺よりサムのが先に知り合っとるしそれに…」
『………』
「何かあるやん! てゆーか、エロいんやって普通にこの子、性欲ないみたいに見せといて!」
「…アホか、ツム」
『…そんな大きな声で』
「そんなんツムが引き出したとしか思えんやんな、な?りさ子ちゃん?」
『…え?え?え… う、うん。そうだよ…? え?』
パチン、と店内の電気が消えた。
でも真っ暗じゃない。
蝋燭の灯りが近づいてくる。
「「「ほい、たんじょーびおめでとーーー!!」」」
「また言い合いしながら日付け超えとったな」
「変わらんなぁ。それを撮る角名含めて変わらん」
「ほれ、侑、治。消しや、ちゃんと一個ずつあるからな」
ふたつのケーキがそれぞれの前に置かれてる。
わーわーと話が盛り上がっていた?言い合い?わかんないけど、
そういうタイミングだったので、2人はポカンとしてる。