第5章 未来
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「遅いわ、ツム」
「あ、誰か連れてきてる」
「あ、りさ子ちゃんも一緒やったん?」
閉店後の治くんのお店。
侑くんは電話するまですっかり忘れてたけど、
今日は北さんの新米を食べる会なんだって。
高校時代のバレー部のみんなで、
Vリーグ開幕前のこの時期に毎年集まれる人でやってるって。
北さん…以外はわからないや、
北さんと何人かのお友達?がご飯食べてる。
お酒飲んでる人もいる。
「え、何?北さん知り合いなん?」
『あ、うん。仕事の関係でも会うし、治くんにもここで紹介してもらったし』
「ほーか… ほんなら… あ、りさ子ちゃん酒飲む?俺はええで、飲みたかったら飲んでな」
『あ、うん。でも私も大丈夫』
明日は試食会がある。
味覚はちゃんと…
『あ、北さん。今日お昼に、 ちゃんと の新米早速いただきました。
それに今日、いきなり参加させてもらうことになってすみません…』
侑くんのとなりに座りながら北さんに報告。
「そんなん気にせんでええよ。たくさん食べてきや」
『本当に美味しいです、いつもいつも、美味しい』
「そら、えかった。おおきに。 …ほんで、侑、りさ子ちゃんとは」
「付き合うてます!」
「え、侑の彼女なん?俺、角名倫太郎。よろしく」
「倫太郎くん。りさ子です。よろしくね」
それからみんなに軽く挨拶をして
治くんの美味しい手料理をご馳走になった。
土鍋で炊いた北さんの新米。
肉巻きポテト、ぶり大根、もやしとささみのナムル、人参しりしり、
さつまいもコロッケ、蓮根挟み揚げ、水茄子の出汁漬け、蒟蒻田楽。
そして梅干しの君の、梅干しと糠漬けとたくあん。
欲しい人は木の子たっぷりの豚汁も。
治くんはキッチンでいろいろをやりながらたまに、
カウンターに腰掛けて話したり。摘んだりしてる。
ささっと手を拭く姿が色っぽい。
え?色っぽい?
そんな事初めて思ったな、とか思いながらお茶を手に治くんの元へ立ち上がる。