第5章 未来
「ほんまに!?ええの?絶対断られるかと思ったんやって」
『あ、そうなんだ。なんか… 時間あっという間だったから。楽しいかな、とか』
「せやろせやろ、それでええんやって。ほんなら行こか」
アイスを食べ終えて、
侑くんはお店の人に挨拶をして車に向かう。
「ほんなら、とりあえず○○の方行くな」
『うん』
よくわかんないけど…
なんか流れに流れて、私の家へと案内する。
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「いや、俺はここで待ってるわ!」
いきなりの泊まりだし、
一泊とはいえ明日は仕事だし。
用意するものがぼちぼちあるから家で上がって待っててって言ったんだけど。
またいきなり、ウブっていうか。
恥ずかしそうに顔を伏せてそっぽを向いて侑くんが言う。
『…え、でも。なんか気が急くから、上がってくれた方が嬉しい』
「は?は… や… でもあかんやん、連れ込むんと家に行くんは違うやん」
『…チョットヨクワカンナイ』
何を言ってるんだろう。
今更感もすごいし、よくわかんないな。
家に泊まってって言ってきたのって侑くんだよね。
なんだかそんな侑くんがじれったくて、じれったくて…
待ってらんなくって。
気がついたらカットソーの首元を掴んでキスをしてた。
結構、強引に。
ゆっくりと目を開けながら唇を少しだけ離す。
足りない、全然、足りない。何これ。
侑くんの顔を両手で包んで、次を、次を、求めるように唇を貪った。
侑くんの手は私の首の後ろと腰に添えられて。
舌を絡め、ジャケットに手をかける。
「な…なに…!?りさ子ちゃん、なんなんいきなり… 性欲ないんとちゃうん!?」
『わかんない… ごめん、そんなつもりで家に上がってって言ったわけじゃないんだけど』
「…もーあかんて …もっと欲しなるやん」
『ちょっと やっぱ 泊まりはやめとく』
「はっ!?なんでそーなるん?」
『だって、今あんなことなったし』
「…」
『…』
「俺はええけど、ちゅーかそのつもりやったけど…
さすがにまだここで盛ったらあかんかと思て、家入るん堪えとったんやって」
『…』
「ほんでももう仕掛けられたで、それ乗るで、俺」