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真っ白でいるよりも 【ハイキュー】

第5章 未来









『溶けるよ、話すのは食べながらで良いから』

「あ、せやな……」







あれ、なんかシュンとしてる。
しっぽがしゅーんって下がって見える。
尻尾なんてないけど。








『変にこう、姿を存在を隠して会話するよりずっと良くない?
それに梅干しの君のことはもう、治くんから聞いてた時から私も良いなぁって思ってたし、
今日あの梅干しとお漬物にトドメ刺されたし。
みんながあっけらかんと好きな子っていうのは良いもんだよきっと。太陽とか花みたい』

「…ほんまに?ほんまにそう思てる?」

『うん、取り繕う言葉とかそれこそまどろっこしくて言ってらんない』

「ぉん、そう言うてくれるんなら、そう思うわ。
なぁりさ子ちゃん、今日夜も一緒に過ごさん?」

『夜、とは?』

「晩めし食ったり、なんか映画とか観てもええし」

『ほー…』

「ほー… て!なんなんちょいちょいその、その感じ」






寝たいなー次のご飯の時間まで。







「なぁりさ子ちゃん、さっきな、未来が来るん待つって言ってたやん?」

『待ってらんないって言った』

「それや、それ。なんで待ってんの?待たんかったらええやん」

『………』

「俺とおるんは楽しいで、待たんでも次々にやってくるで、実際そうやったやろ?」

『………』







たしかに、治くんのお店からここでアイスを食べるまでの時間はあっという間だった。








「ほれみぃ、異論ないっちゅー沈黙やろ、それ」








侑くんが私を見てにこぉって笑う。
その度私の心はきゅっと縮むような心地がする。








「なら、決まりな。家どこ?ほんで職場どこ?」

『〇〇、職場は△△』

「俺の家△△やで、ほな、りさ子ちゃん家寄って荷物もって俺ん家行こか」

『ん?夕飯と映画は?』

「どっちも家でできるやん?しかもまどろっこしくなったら、寝れるやろ家やったら」

『………』

「あともう一個とっておきのん教えたろか」

『………』

「いやあかんわ、りさ子ちゃんには通用せんわこれ。なんでもない」

『…うん、じゃあお邪魔 …しようかな』






とか言ってる自分がいて。

治くんと顔立ちはそっくりとはいえ、
今日会った男の人の家に、泊まりに行こうとしてるなんて。


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