第5章 未来
「あ、りさ子ちゃん。こっちも選んで!」
『………』
「こっちの小さいんは2枚欲しい」
『…選んでって?』
同じクリッパンのミニブランケットだけど、今度は丸投げ。
『…じゃあこれ』
「はっや!」
丸投げにしてくるから、
私が前からいいなって思ってた柄を手に持った。
子供や女性向けの、ちょうちょの柄。
ミナペルホネンとのコラボのやつ。
「ぉん!でも、えーな!かわいい。もう一枚選んで!」
『………』
いいんだ。プレゼントか?
それ俺持ってたらおかしいやん!とかなんとか言ってくると思ったんだけど。
『じゃあこっち』
同じちょうちょの柄の色違いを手に持つ。
「はっや!なに、テキトーなん?テキトーなんはやめてや!」
『テキトーではないよ』
好きなブランドとのコラボだし、ほんとに好き。
侑くんのこと完全無視したセレクトって意味ではテキトーだけど。
でもまぁあっちはオレンジの地だったけど
こっちは黒地に白い蝶だからこっちのがぱっと見、違和感ないかな。
…って、誰にあげるんだろ。
お揃いの柄を送って良いのかな。
恋愛は自由って言ってたけど。
「なんやりさ子ちゃんその柄好きなん?」
『…ん?うん、好き』
「俺が買ってまってええの?したら買いたくなくなるんとちゃうん?」
『ん?ううん、いいよ別に』
「…ふーん。 ならこれにするわ。 なぁ、どっちが車っぽい?」
『…? 車っぽい?』
「黒い車やし黒かな?」
『あぁ、うん。黒が良いんじゃない?』
「やんな!オッケー、ちょっと買ってくるわ」
入口近くにディスプレイされてる商品を見ながら待つ。
プレゼント用に包んでもらってるようだった。
結構、繊細で細やかって思ったけど
私にプレゼント選ばせるとかやっぱ結構テキトーでチャラいのかな。