第5章 未来
「グレー、ネイビー、ダークグレー辺りでうろうろするけど、
でもそうやな、これがええなと思った」
『…じゃあ、Gute。これ』
「え!なんそれ!色のチョイスがあかんかったってこと?
これはこの色しかなかったんやけど!」
『…? いや、青もあるはずだよ。ラインが青のやつも。
でもどのみち私はこっちが好きかな』
「…ぉん、でもなんでこの2つはそんなに簡単に切り捨てられたん?」
『あ、侑くんそのふたつのほうが気に入ってるんじゃない?』
「…3つともかなり厳選されたやつなんに、あっけなかったから聞いてんの」
『いやその、それはその…』
「なんでなん?」
『うちにあるのと全く一緒だったから。色も柄も』
「…まじで!? なんで言わへんの! 2つも持ってんの? 好きなんやな!」
『3つ持ってる。もっと欲しくなるけど、部屋の数的に3つまでで、今のところ』
「…ほーか、お揃いいややったん?」
『いや別に家の中のものなんて、一緒に住んでるわけじゃないし良いんだけど。なんとなく。
色までかぶってくると、選びづらかったっていうか』
「ほーん…一緒に住んでるんやったらお揃いおかしい?」
『おかしいっていうか、普通にせっかくなら違う色とか織って思うかな、これに関しては。
安い買い物じゃないし、ブランケットだから同じ色柄で揃えなくても、とか』
「やんな、じゃあさ、これ違う色やったらどれにした?
…せやな、じゃあこの4つの中やったら」
ナットはダークグレーをやめて、ライトグレーに。
Peakはネイビーをやめて、ダークグレーとグリーンに。
侑くんは色を選び直して、並べる。Guteも一緒に。
『peakのダークグレー、かな』
「やんな!じゃあそれで決まり!」
『………』
そんな即決して良いの?私の一言で、そんな簡単に。
3万を超えるブランケット。
いうてもまぁ、うん十万するわけじゃないし。
まぁ…男の人はこのくらいがいいかな、とか思うけど。
思い切りよく、潔く。