第5章 未来
「何その顔、恥じらうとか、赤面するとかないん?」
『え、何で?』
「なんなん、マジで性欲ないん?」
『性欲……』
「…まじか、そんなことってほんまにあるんやな」
『………』
「予定変更や、車取り戻るで」
来た道を戻り、パーキングへ。
黒い大きな車。VOLVOって書いてある。
荷物がいっぱい入りそうだな。とか。
「アイスもう食える?」
『え、まだ全然時間経ってない』
「どんくらい経ったと思ってる?」
『15分くらい?』
「サムの店出てから?」
『うん』
「もう、45分経ってんで。それってあれやん?ゆっくりに感じんかったってことちゃう?」
『…さぁ?』
「いや、塩!塩反応ハンパないな!」
『………』
「こっから車で15分くらいやな、ちょっと早いけどでもええんちゃう?どう?」
『…カップで食べれば、いけるかな』
「あー、でもそこコーンも旨いんやって。やから、せやな…
あ、一個寄りたいとこあるから、そこ寄ってったらプラス45分くらいで1時間後にアイス屋やな。
どう?それで行く?」
『…うん、それだと嬉しいな』
お腹空いてないときにはなるべく食べたくない。
食べることが楽しいことじゃなくなってしまう。
「よし、決まり〜。じゃ、先乗ってて」
『あ、私そこで水買ってくる。侑くんは何がいい?』
自動販売機が道の向かいにあるから買いに行こうと思って。
「冷たなくて良かったら車にあんで?」
『…?』
「水と爽健美茶あんで」
『え、いいの?常温の、飲みたい』
「ほんなら買わんとき」
『侑くんから買うわ。お金入れるとこどこ?』
「あー入金口はな、せやなー… って何その振り!いきなりやな!」
『…笑 最後までやってよ、照れてないで』
「…誰がするかい!ほれ、おとなしく乗っとれ」
侑くんってなんか… ふとしたときにウブっていうか、照れたりして。
一見強引そうなのに、そういうとこかわいいな、とか。
思ったりして。