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真っ白でいるよりも 【ハイキュー】

第4章 写真









『…うーん、やっぱ移動時が多かったかな。荷物持ってるし』

「………」






そういうの危なそうって思ってしまうけど。







『移動のバスで隣に青年が座って。 その友達がピーナッツをすっごいくれたり。
なんか、おい、その子に渡せよ!もっとだよ、もっと!的な感じで後ろの方から回ってくる』

「………」

『しかも殻付きで、これ、殻どうするのかなって思ってたらみんなバスの床に落としてく。
もしくは窓の外に。アスファルトじゃなくって、土の道だからまぁ還るしいっかぁ、って。
私も人家とかのない辺りでまとめて投げた』

「…親切はその回ってきたピーナッツ? っつーかそれどこの話だよ』

『…あ、親切の話だったか。これはどっちかって言うと、興味かな。親切もあると思うけど。
でも隣に座ってる子は、恥ずかしそうで迷惑そうで、それがまたかわいかった』

「………」

『あ、インドでの話』

「………」

『タイは今回はあまり人に恵まれなかったなー 南インドがピカイチだった。
フィンランドも良かったけど、またちょっと違うし』

「………」

『お腹疲れてない?そんな時はこれ、これを食べるのよ、優しいから。
って、バス停まで一緒に歩きながらお粥のこと教えてくれたり』

「………」

『そんなさ、大きなハプニング起きてないからさ、
大きな親切を受けたエピソードもないけどさ。
小さな親切こそね、沁み入る気がするな〜
深夜バス一人で待ってると、大家族が群がってきたり。
大家族からしたら、異国で一人でぽつんって見えるんだろうな〜とかさ』

「…へぇ」

『とにかくね、旅はやっぱ景色でも食でも建造物でも自然でもなく、人なのよ。
私にとっては』

「………」

『それで、ですよ。 私ね、白布くんのこといっぱい …思い出しちゃった』

「…思い出すなっつっといて?」

『…空想しようと思っても、妄想になっちゃって。
結局、思い出すことになった。写真は持ってなかったから記憶を辿って、だけど』

「………」

『なんでだろうね。 旅先で親切にしてくれた人のいろいろは空想する』

「…俺は親切じゃねーってか」

『いやでもさ、その女の子のこともね、思い出しちゃうの』







…いやちょっと、複雑。







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