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真っ白でいるよりも 【ハイキュー】

第4章 写真
















『へーこれだ』







俺的には、かなりこの人らしい写真だと思う。
バランスも良いし、光の加減もいい感じ。

…反応は薄いけどまぁ、自分の写真への反応なんてこんなもんか。








『白布くんはどんな空想をした?』

「…どこにいても小さなものに目を止めて、
嬉しそうに幸せに生きてるんだろーな、 …みたいな」

『…あら』

「……なんだよ」








言っててちょっと恥ずかしくなってんのに
その塩反応、白けるわ……








『…嬉しい、ありがと』







思いもしなかった感謝の言葉に ばっ と顔を見てしまう。
すげー可愛い顔してるし。







『若いうちに一人旅してよかったよ』

「…は? 今それ?」

『親切にしてもらえるんだ。多分若いプラス女一人だから』

「………」

『危ない、怖いが先行しがちだったりするけど
そんなの地元の人にもわかりきったことで
だからこそその分、優しい人たちは目一杯優しくしてくれる』

「………」

『そんなことってさ、日本にいるだけだとあまりないことじゃない?
子供にすら今の日本ではそこまで優しくしてくれない気がする。
だって子供には保護者がいるし、なんていうか、さ』

「………」

『一人で赤ちゃん抱っこしながらご飯食べてるお母さんがいたら
キッチンからお姉さんが出てきて赤ちゃんを店内ツアーに連れて行ったり。
授乳してるお母さんのとこにおばちゃんが近づいてって話して、
そしたらおじさんもきて、挙句、おばちゃんが誰か呼んだと思ったら、
やってきたのは若い青年で。 そんなのってないよね、なかなか、ここでは』

「…まぁ、そこを突いた犯罪も多いからな。俺は理解できるけど」

『犯罪はね、多いけど。そこから守りたい気持ちも、最善を尽くしたい気持ちももちろん否定しないよ。
でもそれがエスカレートするのは、逆に隠しすぎてるからじゃない?とか思ったね』

「………」

『他人に自分の赤ん坊は抱かせない、授乳はどこかで隠れて。
当たり前に触れることができないから、ねじれた興味がさらに神聖化されてしまう、的な。
…その、一個人の中で』





…なるほど、でもやっぱ俺は防げるものは未然に防ぎたいけどな。





「…りさ子さんがされた親切ってのは?なに?」




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