第3章 幼少期20〜
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完全に予想外で信之君も加わる感じになった理兵衛殿の看取り生活。なるだけ同室は避けさせるけど、この時代の病に対する偏見や知識の劣りは命取り。
いや…普段から対策はしてるけど身内だけだと気の緩みもあるからより意識するだけで…
真田の将来の跡継ぎに何かあったら申し訳無さすぎる。
何だか昌幸殿の策に嵌った感が否めないけどこれが「人を致して人に致されず」か。
終始彼のペースだったなぁ…精進しよう。
深刻な話をすると理兵衛殿。最近呼吸も浅く眠ってる事が多い…身体の衰弱が激しくてそろそろ覚悟を決め始めてはいる。勿論僕が。
信之君は僕の心配をしてくれるけど、僕は黒羽が心配で…
幼い頃、村の人達に追われ殺されそうになった所を理兵衛殿を連れた丹波君に拾われたんだと、彼等らしいと言えばらしい理由。時代に非常に似合わない
んで、忍の二人と信之君は同年代。僕が間に入る事で中和剤になってるのか無駄口叩くまで仲良くなりました。いい事だ。
「信之が甘やかす事と更にコイツの注意力が欠けるんだろうが、其れが命取りになりかねんぞ」
「お前は些か厳し過ぎるのだ。俺まで冷たくあしらえば半兵衛の拠り所が無くなるであろう」
「半兵衛様、おかわり頂けますか?」
「食卓の会話なのか夫婦が子供の教育方針で言い合ってるのかもう分かんないなぁ…」
『半兵衛?』
「ごめんごめん」
夕食用にって釣りを始めたのいいけど足を滑らせ下流まで流されかけた元凶である僕は文句は言えません。
完全に心配され過ぎて発生してる口論って日常茶飯事なんだけど本人の前で言うか。僕一応上司ですよ?
通常運転なのでご飯食べ終わったら終わるし大声で言い合ってないだけ病人への気遣いは忘れてない。
反省?してるしてる。だから睨まないで多分お父さんポジション雹牙。
幼少期からの前世話や腹を割って話した結果、気心が知れすぎて逆に過保護。
そんなに危なっかしいか僕。