第3章 幼少期20〜
「帰蝶に従兄弟居たよね?僕面識無かった気がするんだけど」
「あら、そうだったかしら…?貴女が居る時にあの子来てなかったのね」
「『あの子』呼びとな…?」
弟みたい接してるとは聞いたけどどんな状況なの。生前の知識にある濃いぃキャラしか知らないので予想不可
色々イレギュラーが存在するこの世界だ。
今更誰かが性別反転しててもおかしくないよねと自分に言い聞かせ、黒羽護衛のもと市姫を連れて馬で少し賑わう町に出る。
「はー…何かの祭り?賑わってるけど」
「秋の実りの季節ですから。半兵衛様が指導した通り、半信半疑だった農民達も目新しい作物や稲の収穫に目を輝かせておりますよ」
「そんな事もしてたのね」
「あったね」
信長公って民に紛れて私用で遊…視察してたから意外と交流あるんだよ。さすが尾張のうつけ。
そのコネで僕が漁業や稲作、農作物にも口出ししたら最初はなんだこいつ扱いされる。
信長公がまあやってみろとチャレンジ精神を煽ったお陰で実行に移ったけどリスクを考えると普通はしないよねぇ
チャレンジ精神旺盛過ぎて次は何すりゃいいんだって流れになる。
「そうなると必然的に髪の色で目立つ僕は絶賛囲まれてます」
「誰に言っているのよ?」
「半兵衛様じゃねえか!!また面白い事やらかすつもりかい?」
今日は気分転換に外に出ただけなんです。
黒羽は市姫抱えて避難したし見捨てモードじゃないか、危険は無いんだろうけど。
あれよあれよという間に両手に抱えきれない実りの産物を渡されまくって
「今夜はご馳走よー!!」と脳内でよくあるお母さんが叫んでましたとさ
さすがに荷車用意して貰った。