第3章 幼少期20〜
「よォ伊賀の大将。ちいとばかりせがれ殿を預かってくれんか」
「は?お前理兵衛に用事だったんだろう?忍だらけの此処に息子置いてどうすんだ」
「竹中の嬢ちゃんは忍じゃないだろう?」
「お前なぁ」
丹波君完全に素だ…逆に乗せられてる気がする。
片手で頭をガッシガシかいてる丹波君が深く息を吐き、信之君を見て「諦めろ」と言い放つの何の極刑宣告なの。信之君その場で崩れたよ?!
「信之くーーーん!?」
「…否、親父殿の思考は俺も読めん。何かしらの意図があると思えば」
「なんてこった」
そんな完全に諦めた顔していいのか長男。いつも口でも武でも勝てないってそら大人と子供の差…
雹牙を絞めてた時に同じ頃の年齢の者と一緒に過ごすのも良いだろうって、取って付けたような説明されたけど丹波君も承諾しちゃうし。
しちゃうの?!
「一人や二人増えたとこで変わらねえよ。それに雹牙達が不在の時にコイツが来て半兵衛、お前どうなった?」
「ごめんなさい屋敷から離れた挙句に敷地の外に出ました」
即座に土下座体勢の僕を笑わないで昌幸殿ぉ…
ようは教育で押し付けるついでに僕のお目付け役をさせる気でしょ。
信之君僕のボディガードだよね完全に!!反論出来ないからもう頭が上がらない。
そんな状態の僕を見て信之君に変なスイッチが入ったのか「お任せ下さい親父殿!」って
君騙されやすいタイプでしょ、前世記憶だけど弟くんと非常に似てると思う!!
伊助君も来るから様子見で報告出来るし一石二鳥なんだろうなあ
孫子、彼を知り己を知れば百戦危うからず。
僕はまだまだ相手を知りきれてない。