第2章 幼少期10〜19
「ねえ伊助殿、その息子さんは連れてきてないの?」
「ん?ああ、まだチビだからなぁ…ここまで着いて来る気満々だったんで部下に任せて振り切った」
「何その可愛い流れ」
黒羽達より幼いってことは他の彼らもちびっちゃいんだろうなあ。連れて来ればいいのにと笑えばいいの?って顔されたけど僕は子供が大好きだとも。
最近はこの屋敷で過ごしてるから市姫不足。癒し不足。是非とも頼むと手をわきわきさせると伊助殿に若干引かれたけど
承諾して貰い喜んでると理兵衛殿に子供の様だと微笑まれた。今の僕は子供だよ??
「普段あまりそう言った素振りを見せないでしょう」
「普段と比較されるとぐうの音も出ない…」
こんな調子だから実家でも変な目で見られてたと言うのに…もう少し子供らしく振る舞えばまだ扱いはマシだったかもとたられば話になっても今更。
でも思わずにいられない
「……僕は、どう振る舞えば良かったのかな」
「貴女は貴女のままで良いのですよ」
何となく出た言葉…この世界に来てからずっとモヤモヤと抱えてたもの。
ああ、ほんとに優しい人達だなと胸が締め付けられ息が詰まりそうになった。大丈夫。
彼をきちんと笑顔で送りたいから…