第2章 幼少期10〜19
016
「少し大人っぽくなったかしら?」
「そう?背は全然伸びないんだけど」
成長期なのに横に伸びないで胸に肉が来てると思う昨今。縦に伸びたいんだけどなぁ…
帰蝶も暫く見ない間に美人に磨きが掛かったねと褒めたけど心配のし過ぎで肌が荒れたと真顔で言われた理不尽。
久しぶりで話の話題が思いつかなくて若干挙動不審になって居れば、帰蝶は黒羽と雹牙に顔を向け安心した様に微笑む
「2人ともずっと付いててくれたのね、ありがとう」
「長が先に見つけたんだがな…俺達は仕える事しか出来ん」
「貴方も、お義父さまが大変なのに」
「いえ…」
「そう言えば理兵衛殿は?」
丹波君は見掛けてたけど理兵衛殿はいつから来なくなった?戦の準備の途中までちょいちょい来てた記憶はある。でも先日戦場から戻る頃には顔を見ていない気がする…?
一瞬で背筋が凍り付く感覚に襲われた。え、まさかだよね?
血の気が引いた顔色をしてるのか黒羽を見つめていれば、困った様にへにゃっと笑みを浮かべ
「隠れ屋敷で横になっていますよ、吐血されてるのに動き回るから丹波様に縛り付けられてるので未だ生きています」
端々に不安になる言葉を並べられたけどまだ生きてると聞きその場にうつ伏せに倒れて脱力。
色々お世話になったからお返ししないまま別れたくなかったんだよね…
突っ伏してたら背中に温かい感触、と思って首だけ向けたら帰蝶が背中を撫でてくれてた。
「……そう言えば、道三殿は信長公に何の用なんだろ?」
大体予想はつくけど。
いざこざがあったから収束させるには家同士が話し合うけど直接対決とはなんてカオス。絵面を想像するだけで恐怖画像
その場に居たら胃が痛みそう…
見てきましょうか?って、それ僕が聞いたらダメなやつじゃ?