第2章 幼少期10〜19
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取り出したるは南蛮から、まさかもうあったとはと思わず舞い上がったお野菜…紫キャベツ。そして鉛や銅、ちょっと特殊な成分を持つ鉱石を目に若干口元が緩む。
軍略と言ってもあまり人死には最小限に避けたいのもあり力で知らしめるんじゃなくて…
凄く怖がられる事で士気をダウンさせたい。ある意味SAN値直葬させてこちらが有利だと思い込ませたいんだよねぇ…
この時代、少しでも不気味な現象は物の怪や妖の類いだったり、病気とか祟りとか色々な方向に行ってくれるんで未来では子供騙しみたいなレベルの不可思議現象は精神的に来るだろうなぁ
と、説明すれば「お前鬼か」と雹牙に真顔で言われた。死人出したくないから最善だと思うけど。
「毒々しい色をしていますね…本当に食べられる物なのですか?」
「色…まあ、普通のキャベツと比べれば調理法に差異は無いけど初めてだとねぇ…そうか、普通のも日本に来てないや」
「「?」」
「いや、今の日ノ本にはまだ来てないけど一般的に広まるのは数百年後なんだよ」
そもそも今の時代に形や色がさほど変わらない状態で手に入ったから異世界何でもありだなって。
ご都合主義大いに結構。おかげで今回助かったし。
千切りにしたあと雹牙にガチガチに凍らせて貰い、大きな鍋でぐっつぐつ煮立てているので色がえげつない。色を抜いたキャベツは味噌汁の具にでもしてやろうかと考えつつ…沸騰させたあと暫し放置してたのを竹を編んで造ったザルでこす。
まあまあ、綺麗な紫色の液体が出来ました。
野菜の方は出汁汁に突っ込んでそのまま味噌を入れるだけ。歯ごたえ無くてしんなりしてるけど今回はこれで勘弁してくれたまえ。
「かぶの漬物と、焼き魚と…」
「仕掛けを作るか料理するかどっちかにしません?」
「効率重視」
だって、伊賀の大人2人もご飯食べたいって来てるんだもん。頼んだ欲しい物を持ってきてくれてるから無下に出来ないよ?
諦めなさいと言えば若干どんよりしないの。反抗期か。そういやそんな年齢だったね!
黒羽はそうでも無いのに雹牙の父親に対する当たりが強めだな…
何でだろうなとつらつらと原因を考えながら手を動かして、はい、ご飯は完成。