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淡藤の夢

第1章 幼少期〜9



「僕は…ええと、重虎。迷子中に丹波君に拾われて保護して貰ったお礼も兼ねて看病していたんだ」
「竹中の神童か」
「……丹波君」
「知らないのか?お前結構有名だぞ?」
「うそぉ」

雹牙君。的確に僕がどこの家の者かと見抜いちゃったよ…幼名なのに知れ渡ってるのってどういう事?
もしやと思い丹波君の顔を見ればニヤーっと、斎藤家に仕えてる忍ってもしかしなくても伊賀忍か!!
そうだね、伊賀は傭兵だからね…その可能性を全然考慮してなかったよ。

黒羽君と雹牙君2人に体調はどうかと聞いている丹波君の横で、手で顔を覆って深い溜め息。
これから様々な事を想定していかなきゃ1人で生きていけないよこの世界。

「おい」
「あ、なに?雹牙君」
「君を付けるな。雹牙で良い」
「私も黒羽。と呼び捨てて構いませんよ」
「うん?」

自分達でも助からないと思っていた故に、手当と看病のお礼を頭を下げて言われてしまった。
わたわたと、僕はやりたい事だったんだから気にしないでと言うも借りは返したいらしい。なんと言う義理堅さ!!

「でも僕がここに居る理由って看病だけじゃないでしょ?丹波君」
「まあ、コイツらが起きたらと思ってたからな。相談に乗って欲しい事がある」
「僕に??」

丹波君の言葉に、黒羽と雹牙も何で?って顔をしていたから。それが逆に怖い。





​───────そして連れて来られた場所なんだけど。

「伊賀は里の中で畑を作り、作物を育てて食い扶持を維持していた…今はこの有様で忍として稼いだ報酬を飯に当てるしかねえ」
「畑……?」
「作物が育たなくなった。この状況をどう見る?」

既に移動出来るまで回復してる黒羽と雹牙に驚きつつ、丹波君に抱えられながら連れて来られた先に理兵衛殿が待っていたけど、その場所は畑みたいで作物らしき物が植えてあった。

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