第1章 幼少期〜9
成功したけどこれかなり疲れるから僕に合ってないのかも…使うのはこれっきりにしよう。
別なとこで属性を特化させないと女故に力が足りない。
間接剣の練習はしてる。まだまだ身長とか色々足りないから苦戦してるけど。
鉄格子を開けて中の2人の怪我の様子を見ているうちに、丹波君と理兵衛殿がいつの間にか周囲を確認してきてたらしい、忍ってすごいなあ…
「どうだ?」
「僕は専門じゃないから薬師に診て貰わないと駄目だけど、血は今止血したから今のとこ大丈夫。外傷は斬ったり基本的な拷問かな。多分骨が折れてるか、内臓の損傷かどっちかで炎症を起こして熱があるかな。息が荒いのは熱が出てるからだと思う」
「……そうか。薬師より詳しいな」
げっ……?!
心配のあまり現代知識出し過ぎた。そうだよ、この時代風邪引いたら祈祷師呼んだり寝るだけだから解熱剤すらないからね!?
内心冷や汗をダラダラ流しつつ丹波君を見ていれば、少年2人の身体のどの部分に触れちゃダメかとか聞かれたのは抱える為だろう。
自分の着物を引き裂いて止血したからか、丹波君にありがとなと頭を撫でられたけど子供2人抱えながら頭撫でるって凄いな色々。
そう言えばどうやって脱出するんだろうか?
出入口両方埋められちゃったよね?首を傾げつつ問えばニヤリと……ヤダ丹波君ってば悪どい笑顔。
「俺を誰だと思ってる?」
後世に伝わる名のある忍です。忍自体後成説だけど、異世界なのでそこはノーカン。
目の前で、婆娑羅者じゃ無い筈の百地丹波と腹心の篠山理兵衛殿が。
婆娑羅者並の忍術とか力を酷使して脱出したとか……ええ…この2人って普通の人間だよね??と何度も確認してしまった僕は悪くない。