第1章 1章 崩壊そして邂逅
「突然、見ず知らずの者に渡されて戸惑っていらしゃるかと思いますが、ご迷惑でなければ受け取っていただけませんか?」
「しかしーー」
「こちらは心を落ち着ける香が入っています。お見受けしたところ、貴方様はとてもお疲れの様です。」
そう言って姉様と呼ばれる娘は眉を下げ、義勇を見つめた。
娘の澄んだ瞳と断れない雰囲気を感じ、義勇は身じろいだ。
「……。ありがたく頂戴する。」
義勇の言葉に姉はほっとした様に顔を綻ばせた。
「ありがとうございます。では、私からも…。」
姉は義勇に向かって何か振り払う様な動きをした。
「お身体を大切になさってください。」