第3章 蝶屋敷
「……なにやってんだァ?」
扉を開いた実弥は部屋を見るなりそう言葉をこぼした。
「し、不死川様!」
どこから出したのか深聡の手には小刀が握られており、深聡は丁度鞘から刃を出そうとしていた。
「あっ!」
カラン!
そして実弥に声をかけられたことにより鞘が抜けながら小刀が地面に落ちた。
「おい!大丈夫かァ?」
「何でアンタ、縛られてんだァ?」
小刀を拾う際に深聡の縛られた両手首が実弥の目に入る。
「こ、これは…
千聡を怒られせてしまった様で…。」
「そうかァ…妹さんもアンタの事を心配してのことだろう。大目に見てやった方がいいぜェ。」
そう言いながら実弥は深聡の拘束を解いていった。