第1章 1章 崩壊そして邂逅
「積もる話もあると思うが、少しいいかァ?」
少しバツが悪そうに実弥は声を掛けた。
「いえ…。私たちに時間を与えていただきありがとうございました。」
床に座り込み向かい合っていた姉妹は、実弥の声の方に向き頭を下げた。
「これが俺たちの仕事だァ。礼を言われるまでもねよォ。」
「御心遣い感謝いたします。して、どの様なお話でしょうか?」
深聡はおおよその目星はついていたが尋ねる。
「お館……俺たちの上司が、アンタたちの身に起こったことを教えてほしいとのことだァ。悪いが、明日の朝着いてきてもらう。」
実弥は深聡たちが拒否できない様、決定事項だと言うように話す。
「……承知致しました。」
深聡と千聡は抵抗するでもなくすんなりと受け入れた。
「…そう言うこだから、今日は夜が明けるまでは気になるだろうが本殿の前で俺たちが護衛をさせてもらう。」
「命を救ったいただいた上にその様なことまで……不要だと思いますが…」
深聡は畏れ多いといった表情でいう。
「いや、そんな事ない。アンタ、稀血のようだしなァ。」
「稀血?」
「あァ。アンタの血は珍しいってことだァ。アンタを襲っていた…鬼たちだが、俺のことを見向きもせず一目散にアンタの方へ寄って行ってたぜェ。」
「そうだったのですか!?」
自分の一族の血は特別だとは知っていたが、まさか異形の者・鬼を引き寄せていることは知らなかったので深聡と千聡は動揺した。
「稀血は鬼の能力を劇的に上げるらしい。アンタの血を飲めば、鬼どもは一気に強くなる。それは何がなんでも止めなければなんねェ。」
真剣な表情で実弥は訴えてくる。
「……分かりました。大変申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。」
深聡は深々と頭を下げた。