• テキストサイズ

玉依の一族(鬼滅の刃)

第1章 1章 崩壊そして邂逅






「……名を伺っても良いだろうか。」








今までずっと黙っていた義勇が口を開いた。
珍しく普通の質問だった。





「あ、失礼いたしました。」




そして、義勇の言葉でまだ互いの名前を知らないことに気づき深聡と千聡は居住まいを正した。





「私は姉の玉依 深聡と申します。」




「妹の玉依 千聡です。」






しっかりと頭を下げて名乗る姉妹に義勇たちも姿勢を正す。




「冨岡義勇という。」





「不死川実弥だァ。」










「外で見張りをしてくる。(貴女達はゆっくりと休んでくれ。)」




名乗り終わるといつもの言葉足らずは健在のようで義勇は外に出て行った。




本殿の中はシーンと静まり返った。
何とも言えない空気が流れる。




「…もうすぐ夜が明けるが、少しでも休んでろォ。」






実弥は労りの言葉をかけると本殿を出た。







「おィ!冨岡ァ!名乗らせといてそそくさと出ていくんじゃねぇ!」





本殿の外からは実弥の怒鳴り声が聞こえてくる。







「姉様…。これからどうなってしまうのでしょうか…。」







「分かりません。ただ、私たちは神のお導きに従うのみですよ。」







不安そうな千聡の声に深聡は精一杯優しく話す。





「千聡。服を着替えた方が良さそうですね。お借りしている羽織も返さなければなりませんし…。」







「あっ!そうでした!着替えてきます。」






千聡は慌てて衣服を保管している部屋に入っていく。







「慌てると危ないですよ。」







勝手知ったる場所なので転ぶことはないと思うが深聡は念のために注意した。







「(どうする事が千聡にとって最善なのでしょうか…。)お茶でもお出ししましょうか。」






深聡は不安を押しとどめてお茶の準備に取り掛かった。



/ 72ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp