第19章 アフター・ダンスパーティー
174.激裏
一年も二年も帰りだした程よい所で私達も高専へと帰る事にして、私はほろ酔い、悟は少しテンション高めで高専へと到着した。
そのまま寮へと進んで行く。皆、明日も学校だってのを分かってるから早めに帰ったんだと思うんだけれど……明日が休日だったらきっとオールしてたかもね、と思いながら階段を登った。学校の後にパーティーとなると結構疲れて私としてはあまり雑談が出ず、疲れ知らずな悟の話に相槌をしつつ辿り着いた部屋の前。ガチャ、と鍵を開けそのままにドアを開けた。
機嫌が良くなってる悟は私の背を押し、先に私だけを部屋にぐいぐいと押し込める。
『うわっ、っとっと!危ないでしょ、こっちはヒール履いてんのっ!』
「はいはーい、ごめんねごめんね~!ほら、ハルカ!ただいま&おかえり!のちゅうしよっ!」
『ドアをまずは締めてから言って欲しいんですけれど?』
私が靴を脱いでいる間に悟は、遅れてバタン、とドアを締め、ちぇっ、と言いながら鍵を締めた。
振り返って靴を脱いで一歩、にっこりと笑みを浮かべた悟は私に近付き、両手を私の腰に回して悟の体へと引き寄せられた。彼の熱がドレス越しに伝わってくる。
「ほら、これで良いだろ?早く僕にちゅっちゅってしに来て?」
腰は引き寄せながらも身長差がある。靴を脱いでいなくても、身長を少し高くしてるヒールがあっても届きそうになかった彼までの唇。今は靴を履いてないし身長差は埋まらない、素のまま。
『……ん、(全然届かないんですけど…)』
悟に体を預けた状態でつま先立ちになってキスしようにも届かなくて。私を覗き込むサングラスを掛けたままの悟は顔を近付けようとせず、むしろちょっと引いてわざと届かないようにして楽しんでる。
私の手は悟の脇の下、背に回してるし。首に回せれば悟を引き寄せられたんだけれど。
『……届かないからもうちょっと屈んでくれません?』
にっ!と意地悪そうに歯を見せて笑ってる、双眼を細めた男。