第19章 アフター・ダンスパーティー
168.
爽やかであるはずの朝の教室。うざったいくらいに無駄に明るい28歳児がはしゃいでる。
昨日の今日だ、上層部絡みのパーティーから帰ってくたくただったはずのになにかの弾みで疲れが吹っ飛んだんだ、ベッドに強制連行されて大はしゃぎしてた。
私が悟に惚れ直してしまうほどの良く似合った服だった。胸元を大きく開け服を着たままでの性行為。それは普段しないシチュエーション。ダンスパーティーだと悟は言ってた、ダンスかどうかは知らないけれどベッドの私を追い詰めるように夢中で掴んで何度も何度も激しく……。
その訳のわからない体力に負け、朝からダウンしてた私。朝になって何でも出来る男は朝食を作り終え、鼻歌を歌いながら起こしにやってきた。
だからこの人、朝からご機嫌なんだ。
昨日のうちに私は先に聞かせられている、パーティー用の衣装を各自用意するって事を悟は教卓に両手をつき、皆を見渡しながら気分良さげに連絡してる、朝のホームルーム。
「──ってなワケで呪術界隈の社交場として全員参加して貰うけれど各自正装を揃える事!基本的に黒ベースね、それ守んないと非常に浮くから。
他分かんない事あったら僕に聞きに来てー。経験者である先輩たちに聞くのも良いけどっ!」
『……チッ』
……ああ、もうムカツク!何度もベッド上で追い詰められて余裕の無くなった私に、わざと耳元でねっとりとした声で「愛してる」だとか「もっとちゃんと僕を見てよ」だとか言って抱き潰して、今日になったら分かりやすいくらいにめちゃくちゃご機嫌なんだもん。お陰さまで私は寝坊した。そのぐうぐう寝てる間に悟はシャワーを浴び、家事を済ませ、弁当まで作ってる。
私をご機嫌に鼻歌歌いつつ揺り起こし、寝ぼけ眼でむくりと起きた所におはようのキス。その後に「顔洗っておいで、ご飯は出来てるよ?」と。優しすぎる対応に何事かと時計を見ればいつもよりも寝過ごしてた時間。
……遅刻しないように起こしてくれたのは感謝してるし、嬉しいけどっ!私が何もしないってのは居た堪れないっていうか……っ!なんでこの人普段ちゃらんぽらんなのに本当に何でも出来るの!?
頬杖ついて悟を睨んだ。
余裕ありすぎでしょ、この人……!