第19章 アフター・ダンスパーティー
「どこってダンスパーティー会場。上層部の退屈なパーティーよりも、こっちのアフターパーティーの方が楽しめそうだよねー…?お風呂上がりのせっけんのイイ匂いさせてるし、僕も惚れ直す奥さん見て止まんなくなっちゃった。
──なあ、ハルカ?」
『あ、…ははは、は……ダンス、ね?私ダンスとか踊れないんだよね~…』
「大丈夫。僕に全てを委ねてくれれば自然と上手なダンスをハルカにさせてあげるから……」
細められた青。触れ慣れない、手袋が片手で私の服を脱がそうとしてる。ダンスパーティー、とはいうけれどそんな言葉素直に受け取れない。ベッドでするんだ、ダンスじゃない……男女の交わりを意味してる。
もう何を言ってもこれはもう止まらないやつだ。
『ねえ、悟。せめて皺にならないように着替えて、ゆっくり疲れをお風呂で取ってからさー…しない?』
出来るだけ笑って良いルートにしたい所だけれど、その努力に意味がなさそうな気がして苦笑いになりつつも。
悟が着こなしてる衣装、明らかに高い服だってのは分かる。学校でも私のパーティードレスをオーダーメイドするって言ってたのに自分だけ既製品を着るとかありえない。安物も恥ずかしいって言ってたし。
そんな服をこれからする行為でぐしゃぐしゃに脱ぎ散らかしながらとか目玉が飛び出るわ。
私の感覚と悟の感覚は違うのは知ってる。悟は首を数度横に振って笑った。
「んー?やだ。この服着たままでオマエとえっちしたい。ズボンとパンツだけ下げてするからさ、オマエん中で一番格好良い旦那さんとしようぜ?」
ドキドキとする中で着替えてお風呂に入って欲しい気持ちを上回ってしまった欲望。やだ、今の私はこの悟にめちゃめちゃにされたい、かも……なんて思っちゃってる。
恥ずかしいって思いながらもこくり、と頷いた私は、これだけは絶対に忘れるか!と、反転術式で少し手の届かない位置から避妊具を絡めて寄せた。