第18章 美術品のように愛でないで
さっきまで汗だくになりつつあった行為で私は今じゃ満たされてるけど、悟はまだ足りないらしく。
背後からすりすり、と髪に擦り着く彼。
「……ね?じゃあせめておかずが欲しいんですけれどストッキングとか…ね?脱ぎ取るとかどうかな?」
ガードするモンがなくてただの痴女になるじゃねえか。ノーガードじゃねえんだぞ、私は!防御は例え1%でも良いからさせて欲しいんだけど。
キッ!と睨みたいけれども背後に居るから書類の人体図を睨む。書類へのとばっちりだけど、背後のコアラにはどうしようもないし。けれども確かに背に擦られてる硬いものの扱いが大変そうで。
何かないものかな、と思い出すのはただひとつ。
ペンを握りしめながら私からは顔が見えない悟に、左手で唯一見える悟の腕に触れて伝えた。
『確かポケットにハンカチに包んでた私のパンツなかった?』
僅かな沈黙と、片手が私から離れて、ぱん、と自身の服の膨らみを確認してるだろう彼の仕草。取り出さずとも膨らみで確認が出来たみたい。
「……それや!ありがとー!ちょっとお洗濯無理そうな時は新しい物買い足すねー。
ハルカっ!愛する旦那さん、どうやら無事出勤出来そうです!」
『お、おう……元気でなにより…いってらっしゃい?』
私から離れた悟は床のシーツを拾う。そして体を起こしたら物凄い勢いで(最後に手を振って、振り返して)医務室を出ていった。
その瞬間、遂に蓄積さえたダメージでガラスがビキッ、とヒビが進行してハラハラさせたのは言うまでもなく…。
私が教室に戻る前に修繕活動をしなくちゃいけない状況となってしまった。