第18章 美術品のように愛でないで
親指で悟の抱えてるモノを指す。
明らかに個室で励んでおりましたって言ってるようなもの。シーツを洗濯するほどに汚すまで。一時的とはいえ、止まらないからってしてしまったからこれは硝子から…最悪学長からお叱りが来るかもだ。
伊地知が座ってた椅子に座り、床にシーツを適当にばさっ、と置いた悟。
「あつあつの新婚さんならセックス三昧でしょ?常識的に考えて」
『普通は学校だとか職場だとかの個室でヤんないよ(多分)』
ふーん、と納得してんだかしてないんだかの悟はにこっ!と笑って座った私のスカートをつまみ上げた。
遅れてそれを止めさせる。なにすんだ、小学生か!
『……いつもと状況違うんだからやめろ?』
「うーん、見えないねー…やっぱデニーロが多い?高いからかなー…生地の厚さ?」
『デニーロ?ゴッドファーザーのロバート・デ・ニーロかよ。ストッキングの単位はデニールね』
「そう、それな!」と手を叩き私を両手で指差す悟。下半身もこちらを指してるけれどそれを指摘したらとばっちりが来るから黙っとく。洗濯機に突っ込むまでにそこが引っ込まないと誰かに見られたらアウトだって事を忘れないで頂きたい。
「ストッキングが薄手タイプだったら色々とスケスケで更にえちちのちだったよ、スケスケでエクスタシー!ってね!
てかハルカ、ちょっとお願いがあるんだけれどそこのハサミでさぁ、」
『断る、どうせストッキングに穴開けてー、とか言い出すんでしょ。痴女じゃなくてただの変態にするつもりか?放課後の部屋までおあずけして、変態』
ふん、と悟から机に視線を向けて書類を書き出す。その私の背に、椅子からがた、と立ち上がった悟が抱きついてる。
めちゃくちゃ後頭部に頬擦りされてんですけど。
「まだ言ってないのに当てられた~!悟君、おあずけ出来そうもないんだけどーっ!僕、もうちょっとしたら任務よ?ってもシーツ洗ったらなんだけれど!おっ勃てて任務とかリームー!」
『ハイハイ、ガンバッテー』