第18章 美術品のように愛でないで
『部屋、というか寮まで遠いから。悟、医務室の個室行こう?』
じりじりと寄って困った顔の悟の首に手を回して軽く口付ける。
唇が離れて、お互いの顔が近い状態。困惑した表情で呼吸の荒くなった悟。まだ彼は理性を保とうと必死に耐えてた。
その理性をぶち壊してやれ、と空いた手で、手探りで。その反応してる鋭利な角度で服の生地を持ち上げてる下半身を、服の上からスリスリと撫でてあげた。
『悟、しよ…?ねえ、今すぐしよう?私は悟とすぐにしたいんだけど……』
「……っふー、だ、駄目っ!今の俺じゃ、オマエの事絶対に優しくなんて出来ないって!もっと落ち着いたら……っ」
『いいよ?乱暴に壊れるくらい激しくしても。私、今はそれくらいの方がいいから……だからさ、悟。しよ?』
焦るような表情の悟。今日の彼はいつもよりも見せない表情をたくさん見せてくれる。
思わず、ふふっ、とおかしくて笑っちゃった。さっきまで殴り合うか?くらいに睨み合ってたっていうのにね?
なでなで、と服沿いに撫でるペニスが暖かい。先端を指先全てで掴むように撫でれば、ごくり、という飲み込む音がすぐ近くから聴こえた。
「分かった!分かったからそんな風にちんこ撫でないで!それにそうやって煽んないでくれないかなー!」
我慢するのを諦めてようやく素直になった悟。
ふっ、と辛そうながらも優しく微笑む。
「はあーー…。あーあ。ハルカに負けちゃった。
ちょっとだけ上着締めときな。すぐそこって言っても見られたくないしね。個室に行くまでの間だからさ……」
『……ん、』
パチ、と医務室の電気を消して誰にもすれ違う事なく。
私達はそのままに個室へと進んでいった。